不確定性原理で位置を調べると何故運動量が読み取れなくなるんですか?


また逆も...不確定性原理で位置を調べると何故運動量が読み取れなくなるんですか?


また逆もよくわかりません ということは、運動量に影響を与えないようにすればどちらもわかるってことですよね? 量子力学の基本とする考え方は、重ね合わせの原理です。

物理的な状態は、いくつかの(通常は無限の)可能な状態を足し合わせた状態になっているのが自然の姿だと考えます。


 位置と運動量で言えば、ある範囲の空間の中に粒子が1個あるとすると、その粒子は、Aという場所にいる状態と、Bという場所にいる状態と、Cという場所にいる状態と、…が無限に重ねあわされた状態にあります。

乱暴に言ってしまうと、粒子はAにもあるし、Bにもあるし、Cにもあるし、…という状態にあります。

運動量についても同様で、P1という運動量の状態とP2という運動量の状態と、…の重ね合わせの状態にあります。

これらの重ね合わせがどのような割合になっているのかは、その状態の初期状態が分かっていれば、求めることができます。

これらの情報は、波動関数によって表されます。


 ここで粒子の位置を観測すると、粒子に外乱を与えることになり、その観測の仕方にも依存しますが、初期の状態とは違った状態に変化します。

位置の範囲を狭く求めるような観測をすると(位置の精度を高くする観測をすると)、波動関数は、空間のある範囲にピークを持つ、幅の狭い形になります。

それは、位置として取りえる範囲が狭くなったことを意味します。

一方、運動量の方は、取りえる値の範囲が広くなります。

それは、運動量は波動関数の傾きに比例しますが、波動関数の形が急峻な山の形となったため、波動関数の傾きの範囲が広がったことによります。

つまり、運動量の方は、不確定さが大きくなったということです。


 このように、不確定性原理とは、重ね合わせの原理から説明されるものです。